Hogalee 個展『Liminal』
KANA KAWANISHI GALLERYは、2026年8月8日(土)よりHogalee 個展『Liminal』を開催いたします。
Hogalee(ホガリー)は、現代を映す鏡として、漫画描写の線画にて記号化された『girl』をモチーフに描き続けてきたアーティスト。現代アートの文脈をレイヤーにしたキャンバス作品の他、タブローの枠を超えた支持体としてアクリルペイントやマスキングテープ自体で壁画制作を行うなど、ジャンルやメディウムを縦横無尽に越えながら、ひとつのモチーフを繰り返し描く姿勢を貫くことで、唯一無二の存在感を放ってきました。
KANA KAWANISHI GALLERYで4年振り、二度目の個展となる本展タイトルである「Liminal(リミナル)」とは、本来「敷居」や「閾(いき)」を意味し、空間や時間、心理状態における「ここでもあり、あそこでもある」「まだでもあり、すでにでもある」といった曖昧な境界を指す言葉です。建築においては、扉や廊下、階段、ロビーなど、人が通過するために設けられた「滞在と移動のあいだ」の空間を指し、近年のネットカルチャーにおいては、「The Backrooms」や「8番出口」に代表されるような、人気(ひとけ)があるのかないのか判然とせず、郷愁と不気味さが同居する「リミナルスペース」として消費・共有されてきました。そこには、「不在のなかに在が立ち上がる」ような、現実と虚構、安心と不安、聖性と俗性が重なり合う、複層的な感覚のゆらぎが横たわっています。
Hogaleeは、そうしたリミナルな感覚を、現代の視覚文化を象徴する「girl」という記号的な女性像に重ね合わせてきました。キャンバス作品においては、マンガ的線描によるフラットな記号性と、アクリルペイントやマスキングテープを用いた物理的なレイヤーが同時に立ち現れることで、平面と空間、画面と壁、オブジェとイメージの境界を横断します。また、アートワークがギャラリーの外へと拡張する壁画やパブリックプロジェクトにおいても、「通り」と「作品」、「日常」と「非日常」の境目に『girl』を立ち上がらせることで、鑑賞者の日常的な視界を、ささやかに、しかし決定的に「別のモード」へとずらしてきました。
本展において重要な位置を占める新作《Line II》は、アンドレアス・グルスキーの代表作《Rhein II》へのオマージュとして構想された作品です。《Rhein II》は、水平に横たわるラインによって画面をいくつかの帯状の層へと極端に単純化しつつも、その単純さ自体が「現代の河川風景」を最も正確に示すための、ある種のフィクション(デジタル編集)であることを明らかにした写真作品でした。グルスキーは、犬の散歩をする人影や工場建築などの要素を意図的に取り除くことで、「その場所に実際には存在しないはずの最もリアルな風景」という逆説的な像を立ち上げています。Hogaleeの《Line II》は、その構図とコンセプトを受け止めつつ、抽象化された水平のレイヤーのなかに、記号化された『girl』の輪郭を重ね合わせることで、「匿名的な風景」と「キャラクター的な身体」が同居する新たなリミナルな場を描き出します。
Hogalee個展『Liminal』では、このほかにも、通過儀礼としての「リミナル」、ネットミームとしての「リミナルスペース」、都市のスキマとしての「リミナルゾーン」など、複数の文脈を自在に往還しながら再構築された『girl』たちが登場します。量子的な「どちらでもあり/どちらでもない」状態を思わせる曖昧さと、不気味の谷に近似する違和感。その両義性を軽やかにまといながら、現代を生きる私たち自身の「境界としての存在」をも静かに映し出す本展を、この機会にぜひご高覧ください。
【アーティストステートメント】
「Liminal」とは、場所や状態の「狭間、境界、敷居」などの心理的・時間的な境目がどっちつかずの曖昧なことであり、建築用語なら「扉、廊下、階段、ロビー」など、人類学なら「通過儀礼」のことである。
近年では、ネットミームとして「リミナルスペース*」の流行もあり「人の気配がなく不穏、逆に気配がある不穏、郷愁の中の不気味さ、心地良くも不安な場所」などが描かれており、それらは「量子重ね合わせ」のどちらでも有り、どちらでも無い現象のような、「不気味の谷現象」の人工的な人間の似姿に違和感を持つ境界のような、「不在のなかの在」のような多岐な概念で捉えることができる。
今回の作品群は、「Liminal」の概念を様々に解釈して女性像を重ね再構築した。
Hogalee
*リミナルスペース:具体的にはSCP的な都市伝説へ成長している「The Backrooms」、有名なゲームだと「8番出口」、流行よりも遡ると「きさらぎ駅」や「P.T. (Playable Teaser) 」などがそれにあたり情緒的な揺さぶりは日本的ホラーに通じるものがあると感じる。
【アーティストプロフィール】
Hogalee
1975年、神奈川県生まれ。1999年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、2001年同大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了。
現代を映す鏡として漫画描写の線画にて記号化した『girl』をモチーフに描き続けている。女性像の神聖性を象徴し美を表すものとして描かれる美人画の一種として、現代アートやカルチャーの文脈をレイヤーにしたキャンバス作品や、タブローという枠を超えた支持体としてアクリルペイントやマスキングテープ自体で描画するなどの壁画を制作している。
主な個展に『Dub』(2025年、銀座 蔦屋書店 アートウォール、東京)、『Entanglement』(2022年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、『Masking / Fixing』(2019年、Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)、『Sprout! Vol.4』(2018年、大泉工場、東京)、『Snapshot』(2017年、Gallery HIROUMI、東京)、『Carpe diem』(2017年、Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)など。
主なグループ展に『都美セレクション グループ展 2026「0と1の境界領域展」』(2026年、東京都美術館)、『WHAT CAFE EXHIBITION vol.38 ギグス・アンド・ホビーズ:美術実践の日常風景』(2024年、WHAT CAFE、東京)、『Caravan 2024』(2024年、Sansiao Gallery、東京)、『ソノ アイダ#日本橋 01_OPEN STUDIO』(2024年、⽇本橋室町162ビル、東京)、『いつものソノ アイダ』(2023年、新有楽町ビル、東京)、『ソノ アイダ #新有楽町をめぐる展』(2022年、コートヤードHIROO、東京)、『⼆次元派展』(2022年、代官⼭ヒルサイドフォーラム、東京)、『ソノ アイダ #新有楽町 ARTISTS STUDIO #04』(2022年、新有楽町ビル、東京)、『東京ビエンナーレ2020/2021』(2021年、大手町ファーストスクエア、東京)、『ART BUSAN 2021』(2021年、釜山・韓国)など。
コミッションワークに「東京モノレール – TOKYO ART & CULTURE《Chiral》」(2025-26年、東京モノレール羽田空港線)、「日本橋室町1丁目 – Landmark Art Girl《ReDEVi》」(2025年、仙台工業ビル跡地、東京)、「東京ドームシティ アートプロジェクト《Re-sortir》」(2024年、東京ドームシティ、東京)、《Entanglement - Shinjuku III》(2022年、メットライフ新宿スクエア、東京)など。
Hogalee(ホガリー)は、現代を映す鏡として、漫画描写の線画にて記号化された『girl』をモチーフに描き続けてきたアーティスト。現代アートの文脈をレイヤーにしたキャンバス作品の他、タブローの枠を超えた支持体としてアクリルペイントやマスキングテープ自体で壁画制作を行うなど、ジャンルやメディウムを縦横無尽に越えながら、ひとつのモチーフを繰り返し描く姿勢を貫くことで、唯一無二の存在感を放ってきました。
KANA KAWANISHI GALLERYで4年振り、二度目の個展となる本展タイトルである「Liminal(リミナル)」とは、本来「敷居」や「閾(いき)」を意味し、空間や時間、心理状態における「ここでもあり、あそこでもある」「まだでもあり、すでにでもある」といった曖昧な境界を指す言葉です。建築においては、扉や廊下、階段、ロビーなど、人が通過するために設けられた「滞在と移動のあいだ」の空間を指し、近年のネットカルチャーにおいては、「The Backrooms」や「8番出口」に代表されるような、人気(ひとけ)があるのかないのか判然とせず、郷愁と不気味さが同居する「リミナルスペース」として消費・共有されてきました。そこには、「不在のなかに在が立ち上がる」ような、現実と虚構、安心と不安、聖性と俗性が重なり合う、複層的な感覚のゆらぎが横たわっています。
Hogaleeは、そうしたリミナルな感覚を、現代の視覚文化を象徴する「girl」という記号的な女性像に重ね合わせてきました。キャンバス作品においては、マンガ的線描によるフラットな記号性と、アクリルペイントやマスキングテープを用いた物理的なレイヤーが同時に立ち現れることで、平面と空間、画面と壁、オブジェとイメージの境界を横断します。また、アートワークがギャラリーの外へと拡張する壁画やパブリックプロジェクトにおいても、「通り」と「作品」、「日常」と「非日常」の境目に『girl』を立ち上がらせることで、鑑賞者の日常的な視界を、ささやかに、しかし決定的に「別のモード」へとずらしてきました。
本展において重要な位置を占める新作《Line II》は、アンドレアス・グルスキーの代表作《Rhein II》へのオマージュとして構想された作品です。《Rhein II》は、水平に横たわるラインによって画面をいくつかの帯状の層へと極端に単純化しつつも、その単純さ自体が「現代の河川風景」を最も正確に示すための、ある種のフィクション(デジタル編集)であることを明らかにした写真作品でした。グルスキーは、犬の散歩をする人影や工場建築などの要素を意図的に取り除くことで、「その場所に実際には存在しないはずの最もリアルな風景」という逆説的な像を立ち上げています。Hogaleeの《Line II》は、その構図とコンセプトを受け止めつつ、抽象化された水平のレイヤーのなかに、記号化された『girl』の輪郭を重ね合わせることで、「匿名的な風景」と「キャラクター的な身体」が同居する新たなリミナルな場を描き出します。
Hogalee個展『Liminal』では、このほかにも、通過儀礼としての「リミナル」、ネットミームとしての「リミナルスペース」、都市のスキマとしての「リミナルゾーン」など、複数の文脈を自在に往還しながら再構築された『girl』たちが登場します。量子的な「どちらでもあり/どちらでもない」状態を思わせる曖昧さと、不気味の谷に近似する違和感。その両義性を軽やかにまといながら、現代を生きる私たち自身の「境界としての存在」をも静かに映し出す本展を、この機会にぜひご高覧ください。
【アーティストステートメント】
「Liminal」とは、場所や状態の「狭間、境界、敷居」などの心理的・時間的な境目がどっちつかずの曖昧なことであり、建築用語なら「扉、廊下、階段、ロビー」など、人類学なら「通過儀礼」のことである。
近年では、ネットミームとして「リミナルスペース*」の流行もあり「人の気配がなく不穏、逆に気配がある不穏、郷愁の中の不気味さ、心地良くも不安な場所」などが描かれており、それらは「量子重ね合わせ」のどちらでも有り、どちらでも無い現象のような、「不気味の谷現象」の人工的な人間の似姿に違和感を持つ境界のような、「不在のなかの在」のような多岐な概念で捉えることができる。
今回の作品群は、「Liminal」の概念を様々に解釈して女性像を重ね再構築した。
Hogalee
*リミナルスペース:具体的にはSCP的な都市伝説へ成長している「The Backrooms」、有名なゲームだと「8番出口」、流行よりも遡ると「きさらぎ駅」や「P.T. (Playable Teaser) 」などがそれにあたり情緒的な揺さぶりは日本的ホラーに通じるものがあると感じる。
【アーティストプロフィール】
Hogalee
1975年、神奈川県生まれ。1999年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、2001年同大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了。
現代を映す鏡として漫画描写の線画にて記号化した『girl』をモチーフに描き続けている。女性像の神聖性を象徴し美を表すものとして描かれる美人画の一種として、現代アートやカルチャーの文脈をレイヤーにしたキャンバス作品や、タブローという枠を超えた支持体としてアクリルペイントやマスキングテープ自体で描画するなどの壁画を制作している。
主な個展に『Dub』(2025年、銀座 蔦屋書店 アートウォール、東京)、『Entanglement』(2022年、KANA KAWANISHI GALLERY、東京)、『Masking / Fixing』(2019年、Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)、『Sprout! Vol.4』(2018年、大泉工場、東京)、『Snapshot』(2017年、Gallery HIROUMI、東京)、『Carpe diem』(2017年、Gallery OUT of PLACE TOKIO、東京)など。
主なグループ展に『都美セレクション グループ展 2026「0と1の境界領域展」』(2026年、東京都美術館)、『WHAT CAFE EXHIBITION vol.38 ギグス・アンド・ホビーズ:美術実践の日常風景』(2024年、WHAT CAFE、東京)、『Caravan 2024』(2024年、Sansiao Gallery、東京)、『ソノ アイダ#日本橋 01_OPEN STUDIO』(2024年、⽇本橋室町162ビル、東京)、『いつものソノ アイダ』(2023年、新有楽町ビル、東京)、『ソノ アイダ #新有楽町をめぐる展』(2022年、コートヤードHIROO、東京)、『⼆次元派展』(2022年、代官⼭ヒルサイドフォーラム、東京)、『ソノ アイダ #新有楽町 ARTISTS STUDIO #04』(2022年、新有楽町ビル、東京)、『東京ビエンナーレ2020/2021』(2021年、大手町ファーストスクエア、東京)、『ART BUSAN 2021』(2021年、釜山・韓国)など。
コミッションワークに「東京モノレール – TOKYO ART & CULTURE《Chiral》」(2025-26年、東京モノレール羽田空港線)、「日本橋室町1丁目 – Landmark Art Girl《ReDEVi》」(2025年、仙台工業ビル跡地、東京)、「東京ドームシティ アートプロジェクト《Re-sortir》」(2024年、東京ドームシティ、東京)、《Entanglement - Shinjuku III》(2022年、メットライフ新宿スクエア、東京)など。
参加ギャラリー (クリックして作品をみる)
4-7-6 Shirakawa, Koto-ku, Tokyo
